引越しの際にパソコンをどうするかは悩みのタネの一つ。
- 壊れやすい
- 配線が複雑
- 大事なデータがある
普段からパソコンを使っている人にとって、パソコンの引越しは慎重に行いたいところです。
また、古いパソコンを引越しに合わせて買い替えるにしても、モニターやパソコン本体はカンタンに粗大ごみに出すことはできません。
資源有効利用促進法に則って処理する必要があるので、いろいろと手続きが面倒だからです。
パソコンを引っ越すにしても、破棄するにしてもそれなりの手続きが必要になります。
それぞれ順番に解説していきます。
パソコンを引っ越す4つのステップ
パソコンを引っ越すには、大きく分けて4つのステップで行います。
- データ
- 配線
- 梱包
- ネット
この順番で準備を行うのは、引越しでパソコンが壊れてしまうリスクを最大限に減らすためです。
というのも、引越しでパソコンが壊れてしまう主な原因は、
- ハードディスクの破損
- 水濡れによるマザーボード破損
- ディスプレイが割れるなど、物理的な破損
になります。
少しわかりにくいかもしれませんが、もう少し掘り下げて説明します。
パソコンは引越しでカンタンに壊れます
パソコンの中身はとても壊れやすい精密機械です。
揺らしたり押したりするだけで壊れてしまうこともありますし、水に濡れれば壊れます。
トラックに乗せられてガタゴト移動すれば、パソコンにはかなりの振動が加わります。
運悪く、引越し日が雨になってしまえば、水濡れの可能性がかなり高まります。
パソコンが壊れやすいのには、ちゃんと理由があります。
たとえば、データを保存するためのハードディスク。
パソコンにデータを記録するハードディスクは、1分間に4-10,000回転もしています。
高速回転しているディスクからデータを読み書きするのに、0.1ミクロン単位(1ミクロンは1/1,000ミリ)で動いています。
髪の毛よりもさらに小さな隙間しかない「超」精密機器をガンガン揺らした押したりしたら壊れてしまうのはカンタンに想像できると思います。
引越しが終わって、パソコンの電源が立ち上がらなかったりデータが読み出せなくなるのは、ほとんどがハードディスクの破損が原因です。
引越し業者の保険は、「データ」を保証してくれない
万一、引越し時にパソコンが破損してしまっても、引越し業者が保険で保証してくれるのは「物理的な」破損だけです。
「物理的な破損」とは、パソコンを落としてディスプレイが割れてしまったり、ヘコんでしまうような、目に見える破損のことです。
仮に、目に見えない「データ」が破損してしまっても、保証はしてくれません。
ですので、あらかじめできる限り壊れるリスクを回避するための「準備」が必要になります。
1. データ – 万一に備えてバックアップを取る
引越し時のハードディスク破損でデータが壊れてしまうと、データを取り戻すことはできません。
業者に何万円も払って「データサルベージ」(破損データの復旧)を依頼することもできますが、元通りになるわけではありません。
ですので、引越し前にはデータをバックアップすることを強くオススメします。
WindowsでもMacでも、バックアップを取ることができます。
バックアップには大きく2通りの方法があります。
- システムを丸ごとバックアップする(イメージバックアップ)
- 必要なデータのみをバックアップする(データバックアップ)
オススメは、システムを丸ごとバックアップするイメージバックアップ。
もしあなたがあまりパソコンに詳しくないのであれば、イメージバックアップをオススメします。
時間はかかりますが、パソコンの知識や難しい作業があまり必要ありません。
特に、MacであればTimemachineを使ったバックアップは超カンタンで確実なので、必ずやっておくことをオススメします。
また、バックアップを取る際には、外付けのハードディスクが必要になります。
外付けのハードディスクは、パソコンのデータを保存するためのモノです。
引越し後もずっと使えるので、大きめのモノを一つ、準備しておくことをオススメします。
→ Macのバックアップ用外付けハードディスク(windowsでも使える)
2. 配線 – 機械オンチでも大丈夫、引越しのパソコン配線
電子機器があまり得意で無い人にとっては、配線は悪夢。
形が合わない差し込み口にイライラしたり、配線が足りなくて電源が入らなくて途方に暮れた経験があるかもしれません。
特に、パソコンは独自のコネクタ(端子)やケーブルを使っていることもあって、配線を繋げるだけでも一苦労。
よく分からないから購入したお店の人に設置してもらったという人も少なくないと思います。
引越しの際は、基本的には自分で配線を行う必要があります。
カンタンにいってしまえば、
- ケーブルを抜く
- まとめておく
- ケーブルを繋げる
となるのですが、なかなかうまくいかないのが問題です。 笑
一見難しく感じてしまうパソコンの配線ですが、手順を覚えてしまえば簡単にできてしまいますので、ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。
結論からいうと、ポイントは2つだけ。
- スマホなどで写真を撮っておく
- ケーブルの差し込み口とケーブルに、色つきシールを貼っておく
となります。
これだけで、ピンとくる人も多いと思います。
引越しの際のパソコン配線は、ゼロから説明書を読みながら組み立てるモノとは違います。
あくまで、今同じ状態に、元通りにしてあげれば良いだけです。
ですので、あらかじめ引越し前に配線を抜く前に写真を撮っておいて、引越し後に写真を見ながら元に戻していけばOKです。
基本的に押さえておくポイントは4つだけです。
- 電源ケーブル
- ディスプレイケーブル
- USBコネクタ – マウス
- USBコネクタ – キーボード
ほとんどのパソコンは最低限これだけで動きます。
パソコンの背面を写真に撮って、各コネクタとケーブルに同じ色のシールを貼っておきましょう。
そのほかに、
- 外付けハードディスク
- 外部拡張端子
- スピーカー
などがある場合もありますが、それらの各コネクタとケーブルにも、色つきシールで目印をしておけばOKです。
3. 梱包 – 衝撃を可能な限り抑える
正直にいってしまうと、パソコンの外部的なキズやヘコみは、実はあまり問題ではありません。
引越し業者さんがパソコンを落としたりぶつけたりして破損させてしまった場合は、ちゃんと保証が効くからです。
実は、引越しのパソコン梱包で守らなければならないのは「データ」。
どの引越し会社に依頼しても、パソコンのデータは保証対象外。
自分で守るしかありません。
何年も保存してきた写真や動画、仕事のデータが消えてしまってからではなんともなりません。
引越し前にデータのバックアップを取っておくのは必須です。
とはいえ、実際には引越し後もそのままパソコンがちゃんと動くのがイチバン。
そのためには、あらかじめできることをやっておくことをオススメします。
データを守るためには、キズやヘコみといった外装を保護するのではなく、パソコンをできる限り振動や衝撃から守る事を考える必要があります。
そのためにイチバン効果的なのが、「毛布とタオル」です。
まず、四方に10cmくらいの空きがある段ボールを選びます。
次に、タオルで隙間を埋めるように、パソコンを梱包します。
ディスプレイも一緒に入れてしまってかまいません。
ディスプレイは画面の部分が割れやすいので、タオルをしっかりと当てておきます。
ズレないように、ガムテープで固定しておいてもOKです。
パソコンとディスプレイを段ボールに入れたら、次は段ボール自体を毛布でぐるっと巻いて、ガムテープで止めます。
最後に、毛布の上にA4の紙に「パソコン在中」と書いて、ガムテープで止めます。
ここまでやっておくと、荷物を運んでくれる引っ越し屋さんに対しても「パソコンだから丁寧に扱ってね」という強いメッセージになるので、オススメです。
4. ネット – インターネットに接続する
パソコンは、ネット回線がないとインターネットに繋ぐことができません。
ですので、あなたが光回線やCATVなどのインターネット接続を使っているなら、パソコンと一緒にインターネット回線も引っ越す必要があります。
厳密には、既存のインターネット接続契約を解約後、引越し先で新しくインターネット回線を契約するという順番になります。
引越し先でネット回線を新しく契約する手順は、
- 引越し先のマンションやアパートが対応しているかどうかの確認
- 対応している回線種別のインターネット回線を契約
- パソコンに新しい契約の接続設定をする
という流れになります。
アパートやマンションによっては、
「インターネット対応」、「インターネット完備」
といった表記があると思います。
「インターネット対応」とは、光回線やCATVインターネットを契約して使用できる状態であることを意味します。
地中を通っている光ファイバーを建物内に引き込み済みで、各部屋から接続する事ができますよ、ということになります。
この場合、プロバイダや接続会社(NTT, AUなど)との契約は、入居者が行います。
具体的にやることは、
- プロバイダとの契約
- 接続会社との契約
となります。
その後、パソコンの接続設定を行えば、インターネットを使うことができます。
プロバイダや接続会社との契約には、最低でも2週間程度はかかります。
ですので、引越し先ですぐに使いたい場合には、2週間程度前には契約手続きをしておくことをオススメします。
一方、「インターネット完備」とは、インターネットを無料で使用できる事を意味します。
インターネット接続会社やプロバイダとの個別契約は必要ありません。
建物と部屋に回線は引き込み済みで、プロバイダとの契約もできている状態なので、LANケーブルを挿すだけでインターネットが使えます。
ですので、特別な手続きは不要です。
引越し後、スグにインターネットを使えます。
便利でコストが安い反面、1つの回線を建物内で共有することになるので、一般的に接続スピードが遅くなります。
僕自身は、「ネット対応」と「ネット完備」両方がつかえるのであれば、入居者が個別でプロバイダと接続会社と契約する方を選択します。
パソコンを破棄する
結論から言ってしまえば、引越しに際にパソコンを破棄する場合は、引越し業者の不用品回収にまとめてお願いしてしまうのが手っ取り早くて、ラクです。
また、費用もほぼ無料になります。
なぜ「ほぼ」無料になるかというと、パソコンやディスプレイは資源有効利用促進法(3R政策)に属していて、たとえ動かなくなっても金銭価値を持つ部品が含まれてるからです。
パソコンの基板に含まれる金、銀、パラジウムなどのレアメタル(希少金属)は回収され、ディスプレイはカレット化(ガラスの分解再利用)されて再利用されます。
つまり、ザックリいってしまえばパソコンとして機能しなくても価値があるものを含んでいるので、欲しい人はいっぱいいるということです。
ですので、パソコン自体の引き取りにほぼお金がかかることはありません。
とはいえ、パソコンやディスプレイを個別で処分しようとすると、それなりにコストも手間もかかります。
パソコン専門の買取業者さんもリサイクル業者さんも、3年以上経っているパソコンには値段を付けてはくれません。
ですので、結局のところ発送料金がかかりますし、梱包やデータなどに関する準備で手間だけがかかります。
なので、準備だけしておいて、引越し業者の不用品回収で「他の電化製品」や「粗大ごみ」と一緒に回収してもらうのが手間も無くラク、ということになります。
パソコンの引越しは準備が必要
ノートパソコンであれば、引越しの手荷物として持って行けば良いのですが、デスクトップパソコンの場合は準備が必要です。
- 引越しでパソコンを移動には準備が必要
- 引越しでパソコンを処分するなら引越し業者
引越しでイチバン怖いのは、データが消えてしまうこと。
また、思わぬ事でOS(windows, Mac)が立ち上がらなくなってしまうことはよくあることです。
あらかじめバックアップを取っておけば、データは守れます。
引越し前に必ずやっておく事をオススメします。
