引越しはガンと出費が増えるイベント。
出費が大きくなるので、できる限り敷金は取り戻したいポイント。
インターネットで調べてみると、
- 「敷金はちゃんと返ってくる!」
- 「悪徳大家にだまされるな!」
- 「仲介業者とリフォーム業者の陰謀だ!」
と、退去や敷金に関する記事がたくさん出てきますので、敷金がなんとなく返ってくるのは知っていると思います。
なのですが、実際にはほとんどの人が敷金がほとんど戻ってこないまま退去していきます。
少しでも引越し費用を抑えるためには、敷金は重要なポイント。
引越しの見積もりで数万円の値引き交渉をするよりも、敷金が数万円返ってくる方が遙かにラクです。
敷金をちゃんと取り戻すためのポイントを分かりやすく説明します。
プロには勝てない
とはいっても、私たちが不動産や賃貸のプロに勝てるワケがありません。
私たちは法律や不動産のプロではないので、知識も経験もありません。
退去するアパートの現場で、プロ相手にやり合うこともできませんし、法律的な手続きで立ち向かうこともできません。
個人的な偏見かもしれませんが、僕の経験では不動産業界は大家さんも含めてオラオラでイケイケな人達が多い業界です。
退去時はできる限りモメたくないですし、スマートに退去するのが良いと考えています。
何年も過ごした住まいの最後をイヤな思いで終わるよりも、感謝して気持ちよく次の人生に進むのが良いのかな、と思っています。
とはいっても、お金はお金。
無駄な退去費用や敷金を払う必要は、1ミリもありません。
スマートに退去して、敷金をキッチリ取り戻しましょう。
敷金を最もカンタンに取り戻す、4つのポイント
敷金がなにもせずに返ってくるのがイチバン問題もなく、幸せです。
問題は、返ってこなかったり大幅に値引きをされてしまうことです。
敷金が返ってこないのは、「原状回復」するための費用をゴッソリ取られるのが原因。
「原状回復」については順番に説明していきます。
原状回復費用をゴッソリ取られないためには、原状回復とはどんな事で、何をしなければならないかを知っておく必要があります。
あまり聞き慣れない言葉も出てくるので分かりづらいかもしれませんが、順番に説明をしていきます。
- 契約書の特約事項を確認する
- 責任の範囲を明確にする
- キレイに掃除をする
- 毅然と対応する
契約書の特約事項を確認する
契約書を見てみると、退去時の特約事項が書いてある事があります。
特約とは、原状回復特約やハウスクリーニング特約などの事になります。
すごくおおざっぱに言ってしまえば、退去時に敷金や退去金を請求するための契約事項です。
多くの場合、コレがトラブルの元になって、
- 不当な退去金請求
- 敷金の返還拒否
などに繋がります。
特約は、原状回復の原則とは異なった契約内容の事なのですが、だいたい貸し主に有利な条件が書かれています。
別の見方をすれば、少し極端ですが
「退去時にこのポイントを盾にして、請求をしますからね」
という事です。
たとえば、
- ルームクリーニング代が必要ですよ
- クロスの張り替えが必要ですよ
- 床の補修が必要ですよ
といった事などになります。
あらかじめ特約を確認しておかないと、
「え、契約書に書いてありますよね」
で押し通されてしまう事もあります。
特約に書いてある事をちゃんと理解して、正当なものなのかどうかを判断する必要があります。
もし、特約に記載されている事が分かりにくかったり、異常な条件になっていると思う場合は専門家に相談する事をオススメします。
無料で相談できるので、気軽に聞いてみましょう。
責任の範囲を明確にする
賃貸アパート・マンションは基本的に原状回復して退去。
原状回復と言われると、借りたときと同じ状態にしなくてはならないようなイメージを持ってしまうと思います。
ちゃんと調べてみるとビックリするのですが、原状回復の解釈がかなり違っています。
また、原状回復するとしても、私たち借主がやらなければならない範囲と、大家さんがやらなければならない範囲があります。
つまり、原状回復とは借主(私たち)が支払う分と、貸主(大家さん)が支払う分があるものだとということです。
まず、シンプルに理解しておいてほしいことは、
- 普通に使っていて傷んだもの → 大家
- 過失によって傷ついたもの → 敷金から負担
となります。
ですので、たとえ特約事項として契約書に書いてあるから、全てを100%受け入れる必要は無いという事です。
たとえば契約書の特約に、
- 退去時にクロス全部張り替え
- 床も全部張り替え
- 備え付けのエアコンは新品にする
と書かれていたとしても、全てに従う必要はありません。
なぜなら、消費者にあまりにも不利な契約は無効であるという、
「消費者契約法」(消費者庁)というものがあるからです。
ざっくり言ってしまえば消費者を守る法律で、
「難しい単語を並べて契約書にサインさせてもあまりにも消費者に不利な契約は認めませんよ。」
というものです。
つまり、わかりやすくいうと、
「退去時に原状回復するために必要な費用をゴッソリ計上するために、巧妙に消費者に不利な特約を入れ込んでもダメですよ」
ということになります。
敷金の返却は、預かり敷金から原状回復費を引いたものになります。

つまり、原状回復費が大きくなってしまうと敷金が戻ってこなくなるしくみになっています。

もしあなたが、壁を殴って破り、水回りをカビだらけにして床一面が子供がサインペンで書いた落書きで真っ黒にしてしまっていたら、原状回復するために全て取り替える必要があると思います。
それは、あなたの過失になるので仕方がありません。
ですが、普通に住んでいる分には原状回復費がそこまで大きくなることはあり得ません。
にもかかわらず、敷金が戻ってこなくなったり、退去費を請求される事例が後を絶ちませんでした。
- 業者と組んで、相場よりも遙かに高い金額で原状回復の作業見積もりを取る
- 現状回復に対して、なんでもかんでも借主の負担にしてしまう
- 原状回復に必要ない項目の見積もりを入れ、借主に負担させる
- 大家にメリットを持たせるために、借主の支払い比率を大きくする
などなど、質の悪い不動産/賃貸業界が悪い慣例を作ってしまったのが原因です。
そんなこともあり、国土交通省によってガイドラインが定められました。
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省)
このガイドラインは、国から指定されているものの法的に強制力があるものではありません。
ですので、契約時に理不尽な特約が明記されていたり、退去時にゴリ押しをしてくる業者は未だにたくさんいます。
とはいえ、このガイドラインは過去の判例や事例からまとめられているものです。
なので、このガイドラインからあまりにも逸脱した特約や条件を押しつけてくる場合は、たとえ契約書に書かれていたとしても、裁判になったら負けますよ、ということでもあります。
ですので、私たちがこのガイドラインを読んで、
- どこまでが借主(私たち)の責任範囲なのか
- どこからが貸主(大家)の責任範囲なのか
を理解しておくことがとても重要になります。
住んでいればそれなりに傷つけてしまったり、壊してしまったりもすると思います。
そういった部分に関しては、隠そうとせずにちゃんとハッキリ伝えるのが良いと思います。
過失によって壁を破ってしまうこともあります。
とはいえ、壁全てのクロスを張り替える必要はありません。
1枚分のクロス張り替え費用は払う必要はありますが、そのほかの部分は大家負担で張り替えになります。
床に大きなキズをつけてしまうこともあると思います。
とはいえ、床一面を取り替える必要はありません。
小さな凹みであれば、補修費用だけで済むはずです。
こちら側の過失を隠そうとして、権利だけ主張するのもあまり良いとは言えません。
また、日頃からそんなお客さんもたくさんいるので(みんなネットで検索している)賃貸業者や管理会社もよく分かっています。
賃貸業者や管理会社の中には、良い会社もたくさんあります。
最初から全てを否定して、「1円も払わないぞ!」というスタンスはダメです。
しかし、全て相手の言いなりで、何でもかんでも新品に取り替える必要もありませんし、その費用を100%負担する必要もありません。
原状回復に対して明確なルールや、ガイドラインがあったとしても法的な強制力がないのであれば、最終的には借主と貸主との話し合いによって決まるということです。
権利だけ主張してくるクレーマーにはそのように対応されますし、
ちゃんと過失を認めた上で、権利を主張する人にはそのように対応してくれます。
とはいえ、話し合いをするにしたとしても、借主の責任範囲と貸主の責任範囲の線引きができる程度には知識を持っておく必要はあると思います。
あくまで防衛手段として、どこまでが借主の責任で、どこからが大家の責任かは知っておくことが大事です。
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省)
また、ガイドラインでは分からないことがあれば、
といった所に事前に相談してみることをオススメします。
キレイに掃除する
では、巷でよく話題になる「敷金返却テクニック」は必要ないのかというと、そんなことはありません。
特に、築浅であまり長く住んでいない賃貸物件であれば、ある程度の効果はあると思います。
とはいえ、相手はプロです。
小細工で多少誤魔化しても必要な補修はスグに分かりますし、隠したところで修理や交換が必要なところも分かります。
退去後には専門業者がハウスクリーニングに入りますし、修繕が必要な部分にはリフォーム業者が入ります。
でも、プロとはいえ相手は人間です。
引越しの搬出が終わって立ち会い確認をするときに、靴下を履いたまま歩くのを躊躇するような床や、呼吸をするのもイヤになるような埃屋敷では心証が悪くなります。
わざわざ管理会社の心証を気にする必要はありませんが、ある程度はキレイにしておくことをオススメします。
数年間、生活をしてきた部屋です。
感謝の意味も込めてキレイにしてあげて、次の生活に移る方が気分も良くなる事は間違いありません。
ピッカピカに隅から隅まで掃除する必要はありませんが、一通り掃除してあげましょう。
退去時
退去時には、立ち会い確認をして部屋を確認することになります。
退去時の立ち会いチェックの際は、
- どこが過失による破損か
- どこが経年劣化などによる劣化か
をハッキリと明確に説明できるように準備しておき、100%言いなりにならないようにしましょう。
- 「これは、経年による劣化ですよね」
- 「これは、取り替えでは無く補修の範囲ですよね」
- 「この部分に関しては過失による破損です」
こういったことをハッキリと伝えられるようにしておかないと、立ち会いチェック後にビックリするような見積もりが届くことになりかねません。
場合によっては契約書に書いてある特約事項を盾に
「契約書に書いてあるから」
と強気に出てこられるともあるので、ついつい受け入れてしまいがちです。
立ち会いチェック時にはオドオドしたり、モジモジしたりせず、毅然とした態度でハッキリと意思を伝えましょう。
そのためにも、どこまでが借主の責任で、どこからが大家の責任かの一般的な知識を身につけておくことをオススメします。
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省)
ハズレ業者に当たってしまったら、、、
賃貸業者や管理会社の全てが良い人達ばかりではありません。
中には、
- 敷金を超える原状回復費を計上され、退去費を支払うことになった
- どう考えても高額な原状回復費が計上されている
- 特約を盾に、交渉に一切応じない
といったケースも出てくると思います。
そういった場合には、できる限り早く相談することをオススメします。
消費者ホットライン(消費者庁)
